日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2022年10月2日会議の生産性を高めるためにやるべきこととは?



★論点が曖昧な会議が多い


あなたの会社では、定例的に会議を開いているがいつもほとんど意見が出ない、ということはありませんか?
また、その逆で、色々と意見は出るけど参加者が好き勝手なことを言うので全然議論がまとまらない、ということはありませんか?
これらの原因は色々考えられますが、私は「何を議論するのかが曖昧」ということが最も大きな原因ではないか、と思っています。何について意見を言えばいいのかハッキリしないので発言できないのではないでしょうか。あるいは、参加者が何について発言すればいいか理解しないまま思いついたことを話すので、収拾がつかなくなるのではないでしょうか。
「会議で議論すべきこと」を「論点」と言います。今回はこの「論点」についてお話します。




★論点が曖昧な会議の例


先日、ある会議で次のような議案が提示されました。
「当部門の生産性を更に向上させるために、今よりも課の数を増やして1つの課の所属員を少なくし、課長が社員一人ひとりを指導できるようにしたい」
そして、変更後の組織図案が添付されていました。起案者から議案の説明が終わって、議長が「では皆さん、ご意見をお願いします」と促しましたが、誰も発言しません。仕方ないので議長から指名するとポツポツと意見を言い始め、やがて自ら発言する人が出始めました。しかし、話があちらこちらに飛んでしまい、結局、この会議は結論が出ないまま終わりました。残念ながら、生産的な会議とは言えませんでした。


こういう状態になる原因は「議案の出し方」にあります。つまり、意見を言いやすい論点が提示されない議案になっていたのです。



★意見が出やすい論点とは


論点が具体的であれば意見は自然と出てきます。上の例では、組織変更の案は提示されましたが、具体的な論点が示されていないため、意見が出にくかったのです。この例では、次のような論点が提示されれば意見は言いやすくなったはずです。
・当部門の生産性向上は、優先的に解決すべき問題か
・そうだとすれば、その原因は何か
・その原因を解消する施策として組織変更は有効か
・有効だとすれば、この変更方法以外にないか、この変更がベストか
これでもまだまだ抽象的ですが、論点を分けることで意見は格段に言いやすくなります。そして、これらの論点について、起案者としてはこう考える、ということを説明した資料を作成すべきなのです。1つ目の論点である「生産性向上は優先課題か」であれば、部門の解決すべき課題を並べ、その中でも生産性向上の優先順位が高い、ということを客観的に資料で示すべきです。そうすれば、議長は「では、まず一つ目の論点の、生産性向上に取り組むべきか、という点について意見をお願いします」と進めることができます。


先日の会議では、論点が具体的になるように分ける、ということをせずに全部をごちゃ混ぜにして提示しています。また、なぜ組織変更をすべきなのか、などを説明する資料がほとんどありませんでした。この2つのことから、意見を言いにくい議案提示になっていたのです。
会議において、意見が言いやすい議案は、「はい」か「いいえ」で意見が言える議案です。そして、その議案の個別の論点について予め検討した資料を用意すれば、「確かに、この半年の生産性の悪化が収益の減少につながっているし、この組織変更は有効だと思うので賛成です」というように意見が言いやすくなります。



★ミーティングでも論点を意識する


会議という形式ではなく、簡単なミーティングでも主催者はこのミーティングで何を議論して欲しいのか、という論点を具体的に示すことがとても大切です。
あなたの会社の会議やミーティングはいかがでしょうか?
もし意見が言いにくいような議案だったら、ぜひ何を議論して欲しいのかを具体的にしてみてください!

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